EverLearning!

モチベーションワークス株式会社 および 一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事 野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

予告・準備無しでLINEが講義に使えた話

9/24、再びご縁があって日本大学経済学部にて講演をさせていただきました。

タイトルの通り、今回も授業でLINEやTwitterのIDを公開し、適宜こちらから投げかけた
質問や気になった事などを呟いてもらいながら授業を進めました。

今回は1年生から4年生まで幅広い受講生が約100名。今回は授業に当たり担当教諭にも学生にも、一切「LINEやTwitterを使う」事を事前通知しませんでした。授業の最初で、私は「自分のスマートフォンを使って好きなタイミングでメッセージをください。メモをスマホでやってもいいし、スライドの写真撮ってもいいです。勿論、私に自分のLINEやTwitterのIDを知られたくないので、使わないというのも素晴らしい判断です。皆さんにお任せします」と事前にお断りしましたが、結果として全体の約3割の学生がLINEやTwitterを使ったダイレクトコミュニケーションに参画してきました。LINEなどの使い方は当然一切説明していません。
なお、受講生は感想文の提出が義務づけられていましたが、その全て(聴講生分を除いた85名分)のコピーを貰うことが出来ました。ガラケーやLINE 使っていない生徒も居たのですが、そういう人も含めて、このスタイルを否定したり、不公平だと文句を言ってきた学生は皆無でした。

折角アンケートを 頂いたので、学生達の生の声の一部を紹介したいと思います。

・まず画期的だなと思ったのが授業内でLINEやTwitterなどのSNSを利用して意見交換が出来たという事でした。この方式によって、直接口にするのが恥ずかしい人でもしっかりと意見をすることができるなと思いました。

・ただ聞いているだけでなく、参加が出来るという点がよかった

・他の人の考えに触れながら授業を受ける事で視野が広がった

・頭を使いながら講義を聞けたので退屈しなかった

・時間内に意見を纏めて送信できず、自分の発想力の乏しさを痛感した

・これからはこういう時代になるんだと感動して、授業が新しく楽しかった!

LINEやTwitterなどのSNSを使った授業について肯定的な感想を寄せてくれた学生は全体の4割近くもおり、このスタイルは特に予告も準備も無く、100名近い学生に対する「一斉授業」に相互のディスカッションや意見交換という側面を「+α」することに成功した、と言えそうです。
勿論、こうしたスタイルがどんな講義にもマッチするとは思っていませんが、スマートフォンを持っている割合が非常に高くなっている大学という環境では、こうした手法が成立しそうだな、と思った次第です。
勿論、ガラケーを使っていて、こうしたスタイルに参加できずに悔しい思いをした生徒がそれを感想文に書かずにいたという可能性も有るとは思います。しかし、今回話した講義のテーマの一つが「企業が求める人材と、企業内の人材育成」であり、情報機器をうまく使いこなす事が大変重要だし、それによって時に優位に立てるという点を肌で感じてもらった事は、結果的に良かったのではないかなと思っています。
企業の世界では「差がある事」はむしろ当然であり、それを意識しなければならない。大学ではこれくらいでいいのかな、というのが偽らざる私の気持ちです。

とはいえ、準備は不要、問題が出たらすぐにやめれば良いので、こういうやり方も有るよ、と選択肢の一つとして今回の話題が一つの参考になれば幸いです。