EverLearning!

野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

【速報】新iPadと関連サービスの教育分野への貢献度を検証

Appleのイベントをリアルタイムで見ました。
残念ながら期待してた大型のiPadの発表は有りませんでしたが、教育分野目線で考えると嬉しい発表がいくつかあったので早々にシェアします。

①9.7インチiPadが小型軽量化

名称が「iPad Air」に変わり、重さが469g(WiFi)と最後の9.7インチモデル(652g)から比較しても大幅に軽量化、さらに薄く、ベゼル幅が狭まり小型になっています。僅かでは有りますが机を広く使える、そして何と言っても200g弱の軽量化は学校での活用に大きく貢献するでしょう。ただ、ベゼルが狭さは「掴める場所」が少なくなっているとも言えるので、これは意外と不便に感じる事があるかもしれません。

iPad mini 現行モデル(16GB)を31,800円で併売

これまでで最も安いiPadとなります。教育分野における生徒用端末としては9.7インチモデルの方が主流ですが、教師用端末としてはminiを使うケースが多い。特にプロジェクタやテレビに投影するにあたってはRetinaの解像度そのものがオーバースペックとも言えますので、教材の提示用端末としてmin16GBのこの価格はかなり意義がある物と思えます。
(追記:日本円ベースでは円高もあり、初代iPadminiが登場した際の価格が28800円でしたので、日本では”最安"では無いということになりますね)

iLife、iWorsがすべて無料化

Pages,Numbers,Keynoteが無料となり、オフィススイートをiPadで利用するにあたっての学校現場の障壁は大幅に下がりました。教育現場としては追加コストなくこれらのアプリが導入できます。特にKeynoteは嬉しい人が多いのではないでしょうか。
また、iCloudのwebブラウザ版(β)により、WindowsPC上でもこれらのファイルを閲覧・編集が可能になったことも、教育現場での既存端末の活用と言う面で見逃せません。ちょっとした修正がWindows端末上で出来ることや、わざわざPPTに変換したり、その結果レイアウトが崩れるといった心配をしなくて良いこともハードルを下げる要素になります。
またGarageBandが無料化したことは音楽の授業活用に大きな可能性を拓く事になり得ます。作曲の授業をどう扱うかに悩む小学校の先生は多いのですが、GarageBandは特に楽譜や音楽の難しい知識が無くても作曲が体験でき、一定の準備があれば授業でも充分使えるという実証研究結果が複数存在しています。
このアプリを単独で使うなら通信インフラは無くても良いので、共用端末にとりあえずインストールしておくとどこかで使えるシーンが有るのでは。

④Mac で iBooks が閲覧可能に

地味ですが、大きいです。iBooks Authorで作成されたテキストはiPad専用でしたが、新OS X Mavericks でも閲覧できるようになったので学習環境に選択肢が生まれました。
また、Mavericks上でiBooks テキストの一部をコピーしてPagesやKeynoteに(書式も込みで)ペーストできる様子がデモされていましたが、これは従来のiBooks上での「マーカーによるハイライト」などとは別に、自身の気になったポイントや弱点を別ファイルにまとめる(いわゆるデジタルアンチョコ)を自由に行えると言う意味で、好んで使う人も多いかもしれません。
既にiBooksで教材を作成し、公開している人にとってもこのメリットは大きいのではないでしょうか。

LTEカバレッジ拡大

これからiPadを段階的に導入、あるいは導入検討しようとしている教育現場にとって、頭が痛いのがWiFiインフラをどう整備するか、です。通信ができないiPadは魅力が半分以下になってしまいますので…。しかし、LTEモデルであればとりあえずはそうした心配なく、学校に持ち込んで使う事が出来ます。フィルタリングなどの課題はありますが、まずは活用方法を探るために先生が1台買ってみる、という用途であればLTEモデルは一つの選択肢として良い方法です。(維持費が課題では有りますが…)
今回のモデルではより広いエリアで使える800MHz LTEがサポートされているのですが、残念な事に現時点ではNTT docomoの取り扱いが公式HP上では明記されていません。個人的には(KDDIの人間とはいえ)幅広い事業者が端末を扱う方が教育現場にとっては良いと思っていただけに、ちょっと残念です。近日中に追加される事を願います。

今回は特に③と④の教育分野へのインパクトがかなり大きいのではないかな、と思いました。特にオフィス系アプリではWindows系よりも価格面で大幅にアドバンテージが出てきました。
iPadとWindowsのタブレットが比較される事が増えてきましたが、今回のiWokrs無料化は「ソフトも含めたトータルコスト」を大幅に押し下げる効果があり、Windows陣営がどのように対抗してくるのかに注目しています。一方で、MicrosoftがiPad版Officeを開発中である事をCEOが公式に発言しており、これが安価あるいは無償で提供されるとOffice派にも(既存の教材の活用と言う意味で)嬉しいかと思います。今回のAppleの動きが他陣営にも(ユーザーから見たら)ポジティブな波及効果をもたらす事は間違いないと見ています。

(参考)「Office for iPad」は進行中──スティーブ・バルマーCEOが発言

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1310/09/news025.html

 

以上、取り急ぎ発表会を見て思った内容を纏めました。