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EverLearning!

野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

教育ITニュースピックアップ&コメント[Vol03]

先週に続き、教育IT関係のニュースとそのコメントをお届けいたします。

2014/4/11
■担任、息子の入学式へ…高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意
http://www.saitama-np.co.jp/news/2014/04/12/01.html
ここ数週間、多くの方が話題にした記事です。世論は真っ二つに割れており、当事者の「学校の先生」から当人への批判が強い傾向があったのが意外でした。そこで当方はFacebook上で
①学生/最近まで学生だった人に「高校入学式に担任が居なかったらどう思う?」という質問
②先生向けの非公開Facebookグループで「本件を先生はどう考えているのか?」という質問
をしてみました。①について「もう高校生だし、副担任等が居れば問題ない」「子どもが小学校の入学式なのであれば、そっちを優先してほしい」「これが入学式じゃなくて、卒業式とか離任式だったら”嫌だ”かも」といったコメントが寄せられました。当の生徒たちよりも、大人たちが慣例に捕われて騒ぎ過ぎなのでしょうか?
一方②は「自分も普通に休みを取った」「担任はきちんとお詫びの文書を別の教員に託しているし問題ない」「学校長も休暇を受理している以上、責任は管理職側」「教員本人を糾弾する風潮は異常」といった擁護のコメントが目立ちました。表立っては言いにくいものの、学校の先生もきちんと理解を示しているようです。
これに関連したイケダハヤトさんの記事も合わせてご覧ください。
 ※「教員が、教え子より息子の入学式を大切にする」のは当たり前」
 http://bylines.news.yahoo.co.jp/ikedahayato/20140413-00034455/
ところで、本件では「税金貰って仕事してるんだから欠席などけしからん」という論調の方もかなり目立ちました。が、給料の出所がいくら税金とはいえ、実際に先生の稼働に対する対価は決して高く有りません。というのも、こういうデータがあるからです。

2014/4/20
■教員の精神疾患10年で3倍・うつは企業の2.5倍-世界最低教育支出=ブラック教育が生徒も食い潰す
http://togetter.com/li/656873
「1週間の中で休める日がない」とする教員は半数に近い43.8%で一般企業の約3倍、教員の精神疾患による休職者は10年で約3倍(これは日本全体の増加に対して1.8倍と倍近い) という衝撃的な数値が並んでいます。「モンスターペアレント」関連で欝になる教員が増えていること言われて久しいですが、その傾向は変わらないどころか増加の一途を辿っています。私の母親も公立中学校の教師でしたが、「部活動も殆ど手当無しの事実上ボランティア。地域イベントで頻繁に休日出勤もある。残業代は事実上無し。それでも、子供のためを思うと出ないわけにはいかない」とよくボヤいていました。「あなたの会社は残業代もボーナスもしっかりでていいわねぇ」とも…。これについては少し昔の記事ですがこちらも参考になります。
 ※日本の公的ブラック企業『教職』の情けない実態
 http://matome.naver.jp/odai/2137160915054702001
こうした現状から最近は教職の志願者数も低下傾向にあります。一方、団塊の世代離脱によりベテランが減り、教務力の低下が起きていると言われることもしばしばです。以前このブログでも賛否両論があった「学校を超えた情報共有の壁」は色々な先生へのヒアリングから大なり小なり存在すると今も考えています。
が、この状況に挑もうとする若手の企業家がいますので紹介します。

2014/4/16
■ソーシャルの力で“悩める先生”を支え抜く「SENSEI NOTE」(要会員登録)
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1404/16/news02.html
サービスを企画・開発したCEOの浅谷さんに当方がインタビューをして、寄稿した記事です。「SENSEI NOTE」は教師用SNSで、いわば先生限定のFacebook。情報交換や共有はしたいけど、生徒や保護者に見つかると何かと面倒…という先生の真理をうまく汲み、情報共有の「インフラ」として急速に伸びているサービスです。最大の特徴は、登録したその日から「全国の先生とつながれる」ということ。意識が高い先生方が情報交換や課題解決の為に集まり、非常にアクティブな意見交換がなされています。しかも「役職や立場は一切不問で、完全フラットな構造にしてある」ということで、教材の共有だけでなく学級運営の工夫(総合的な学習のアイデア交換や、学校でのケータイの扱わせ方をどうするか、等多岐にわたります)などが随所で行われていました。3/26に正式リリースしたばかりですが、早速多数のユーザーを集めています。
類似記事:先生一人ひとりが生き生き働けるために/SENSEI NOTE
 http://ict-enews.net/zoomin/21sensei-note/
ちょっと「情報リテラシー」的な話が出た所で、少し古い記事ですが非常に良いものがありましたので紹介します。

2013/1/4
■13歳の息子へ、新しいIPHONEと使用契約書です。愛を込めて。母より
http://hana.bi/2013/01/13sai-iphonekeiyaku/
内容が素晴らしいと(特にハイリテラシー層から)話題になった記事です。iPhoneは様々な事ができる故、ルールの線引きが難しいところがありますが、「親に見せて恥ずかしくない事」という子供に自ら考えてもらう要素を入れている事、一方でオンラインに情報が流出するとまず消せないことについては具体的な表現に踏み込んでいるなどの点が、特に多くの賞賛を浴びています。何よりも素晴らしいのが「制限一辺倒」ではない事に尽きると思います。
実はKDDIも「ケータイ教室」を展開していますが、やや「危ない、やめよう」という"禁止"の要素が強いように感じています。これからは「使わない事と同時に使う事の利点も話してほしい」という要望が多くなってくるのではないかと考えています。

2014/4/18
武雄市、花まる学習会と「官民一体型学校」創設
http://resemom.jp/article/2014/04/18/18103.html
さいたまの学習塾「花まる学習会」の教材やノウハウを公立の小学校に持ち込むという報道。賛否両論が巻き起こっています。武雄市は今年度より小中学校にAndroidタブレットを、高校生は8万5000円ほどのWindowsタブレットを全員配布という点でも話題になりました。
花まる学習会は受験を意識しない「学校教育に近い立場」で、世間の評判も良い塾のようです。当方は中学受験の小学4-6年生を3年間通しで教えた経験があるのですが、中学受験向け授業は公立小学校のそれとは「全く別物」。そういう意味でも、武雄市が受験と距離を置く花まる学習会に目を付けたセンスは流石と感じます。今後の展開に要注目。
一方でこの施策、水面下で進められていたようで地域には「寝耳に水」のようです。本件についてもっとも踏み込んでいる朝日新聞の報道は、会員登録してでも読む価値あり、です。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11090538.html (要会員登録)

 


2014/4/15
■<総務省案件>
 「教育分野におけるICT利活用推進のための情報通信技術面に関するガイドライン(手引書)2014
 (中学校・特別支援学校版)」の公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu05_02000049.html
これまで実証実験として進められてきた4年間のフューチャースクール推進研究会等の成果から、中学校と特別支援学校に向けたICT整備の指針が示されています。実際にフューチャースクールではどのような考え方で機器が選定され、どのようなポリシーで運用されているか、構築前に事前に調査すべき項目は何か、等が表形式で纏められており、実例に基づいた導入検討に役立ちそうです。

2014/4/15
■<文科省案件>
 平成26年度スーパーグローバル大学創成支援の公募について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/sekaitenkai/1346661.htm
スーパーグローバルハイスクールに続く「スーパーグローバル大学」の公募が開始。大学が5月後半の書類受付期間に向けてこれから検討を開始するものと思われます。タイプAの申請10枠を獲得すると、目安として向こう15年間で文科省から4.2億円の予算が付くとの事。これらの予算はシステムの外注費、通信費として支出することも認められており、グローバル化の一つの材料としてICT化を進めたい学校としては「渡りに船」になる可能性が秘められています。
要綱など詳細は以下URLで閲覧できます。
http://www.jsps.go.jp/j-sgu/download.html

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■「おまけ」
新年度から英語の勉強を始める人に絶対オススメしたいwebサービス・アプリ5選
http://english-hacker.jp/start-learning2014
GWにもう一度英語にチャレンジしよう、という方にお勧めの記事です。
教育系Webサービス(EdTech)は現在「百花繚乱」ともいえるほど様々なものがありますが、その中でも「聞く」「話す」「書く」というスキル別におすすめのサービスを提示しています。特にITと語学は相性が良く、今までなかなかできなかった「話す」や「書く」能力を伸ばせるサービスがかなり安価に選べるようになってきているのが嬉しいところ。一つ追加するにであれば、英作文添削とSkype授業を組み合わせた「Best Teacher」もかなり良いです。今月中に同社のCEOへのインタビュー記事を寄稿する予定ですので、楽しみにしていてください。