EverLearning!

モチベーションワークス株式会社 および 一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事 野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

2014年の振返りと、2015年の抱負

皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年初の投稿ということで、昨年の振返りと、2015年に向けた抱負を投稿したいと思います。

まず、昨年にあった幾つかの出来事を振り返ります。昨年も多くの教育関係の皆様とつながることができ、一部で点と点が線になり始めた感触を得た年でもありました。特に象徴的な出来事を5つほど示すと

ITMedia Tech Target  (教育IT)への寄稿を開始(2月)

webメディアデビュー。iPadを活用している学校への取材と、EdTechの先端を走る方々の製品紹介記事を執筆しました。記事を〆切までに書き上げることの難しさ、「編集」により自分の文章が生まれ変わることへの驚きを経験させていただきました。なお、昨年最も読まれたのは「EdTechフロントランナー」の「アオイゼミ編」で、教育ITのサイト内でも頻繁にアクセス数1位を獲得しています。

iOSコンソーシアム 文教WG(ワーキンググループ)が成立(6月)

本職と別に無給で兼業をしている”一般社団法人 iOSコンソーシアム”に、念願の教育系組織を立ち上げました。当方は同WGの共同リーダーに就任し、「企業と教育者をつなぐ」ための活動を進めてきました。iPadで教育サービスを体験するイベントを3回、30−40名程度の教育ICT企業と学校関係者が集まり、あらかじめ決めた「お題」について情報交換する「月例会」も6回、開催しました。今年は関西支部でも月例会を実施していく予定です。

ICT教育ニュースに記事を寄稿(7月)

「先生のための初級ICT教育講座」シリーズの第一弾として寄稿した「教育現場でiPadが選ばれる5つの理由」が、同サイトの年間ビュー4位に入りました。この世界ではiPadWindowsが人気を二分していますが、それぞれに良さはあるものの、現時点では特に豊富な教育向けアプリを擁することが強みと言えます。しかし、各種企業におけるキャッチアップや、文科省総務省が連携して進めている教育のクラウド化に伴うHTML5ベースのwebアプリが増えてくると、この記事の5つ理由が過去のものになってくるかもしれません。

iOSコンソーシアムとして 文部科学省共催のイベントに3回の出展(9月、11月、12月)

9月に文部科学省で開催された「情報教育担当者連絡会」を皮切りに、11月に横浜、12月に大阪で開催された「eスクール ステップアップ・キャンプ」に、それぞれiOSコンソーシアム 文教WGとして小ブースを出展。iPadを学校教育に活用している現場の模様や、コンソーシアム会員企業のソリューションを教育委員会や学校関係者向けにPRしてきました。iOS関係の展示が全体として少なかったこともあり、いずれもかなり多くのお客様がブースに立ち寄ってくださいました。

・人事異動でKDDI内でも教育とICTの活動を開始(10月)

これが当方としては昨年最も大きな出来事でした。それまでは完全に本業と切り離して活動していた教育とICTの活動が一部仕事になったことで、この分野について調べたり、研究する時間をより多く取ることができるようになったのは大きな前進です。とはいえ、これはあくまでスタートラインであり、昨年10−12月を準備運動期間とすれば、今年からが本番とも言えます。仕事として教育とICTの成果が残せるように努めていきたいものです。

 

以上が昨年の振返りです。次に2015年の抱負ですが

「教育ICTの推進のためにあらゆる面で戦う」

ということを宣言したいと思います。
何と戦うのか、ですが、大きく5つあります。ほとんどが教育ICTと関連します。

1.既存の常識と戦う

一つ目は、教育ICTをあるべき姿で推進していくために「これがベストプラクティス」とされるものを(自分自身の常識も含め)「それが本当にベストなのか?」と疑い、そこから解決策や代案を考え、提言し、広げていきたいと思います。例えば昨年は、学校へのタブレット導入にWiFiや電子黒板が必須であるという考えや、学校にMDMは必要ないのではという考えがそれぞれ塗り変わりました。重要なのは、教育ICTは未来の子供たちのために推進することであり、大人の都合で進めていることではない、という事実です。特に本職でも教育とICTに関わることになったことで、この部分はより強く意識していこうと思っています。

 2.時間と戦う

2014年が教育ICTの方向付けをする年であるとすれば、2015年はそれを実行する年であり、各所で下準備されてきたものが一気に動き出してくると私は見ています。時流を読みながら素早く動いていくには、常に時間との勝負が重要だと思っています。自身もICTをより上手く活用しつつ、それに多くの時間を取られて判断が遅くならないようにしたいと思っています。重要なのは情報を収集したり出力することではなく、そこから「判断」をすることであると肝に銘じていきます。

 3.世の中の動きと戦う

これは既存の動きの反対勢力になる、という話ではなく、足元で起きていることと国や自治体、組織の計画を頭の中でリンクさせ、背景や理由を理解した上で、分かり易く世の中や組織に対して発信をしていくこと。そこから、新しい動きを作り出すことを重視する、という考え方です。否定や批判をしても世の中や組織は動かないし、仲間がいなければ動きは大きく鈍ります。ただ、これをやるには情報のアンテナを相当高くすることが必要ですし「自分の頭で考える」ことも重要です。具体的には、文科省や国の動きをきちんと把握し、解釈し、世の中に発信し、指摘や批判も受けながら、自らも成長していくという覚悟です。

4.自分自身と戦う

3を進めていくには、自身の積み上げてきた理念や信念を場合によっては変えたり、捨てる覚悟が必要です。少なくとも私は企業の人間であり、学校現場のことで先生方に、政策や方針のことで官僚の方々に、教育の各分野のことでその道のエキスパートの方々に、それぞれ勝てるわけがありません。ですが、そこに少しでも近づこうとする努力は絶対に捨てたくありません。ですので、私は素人なりに自分で考え、こうではないか、と発信をし、それにより各々の世界の人たちから批判や指摘いただく(直接言っていただかなくても、自分からそういう指摘を見つけ出す)ことができれば、そこから学ぶことで先に進もうと思っています。もちろん、企業人として得うるスキルや知識も並行して伸ばすのは言うまでもありません。「完璧でなければ情報を発信しない」では先に進めないので、とにかく考え、表現し、修正していく中で「自分自身」が弊害になるのであれば、どんどん変えていくことを進めたいと思います。 

5.ワークライフバランスと戦う

昨年の反省も踏まえ、KDDIの社員、iOSコンソーシアム 文教WGの共同リーダー、そして家庭の3つの立場のいずれもきちんと両立させ、年齢相応のワークライフバランスを得る術を磨こうと思っています。今回、年末年始に6日間ほどSNSを使わない期間を設けたことで再認識しましたが、情報収集や発信は重要なものの、それ以上に重要なものも沢山あります。それぞれの場所に強くコミットすればするほど、他のものを見失ってしまうので、常にバランスを意識して、メリハリをつけて動くようにしていこうと思います。 

ということで、今年も様々な面で教育とICTを推進していきますので、なお一層、皆様のお力添え、ご助言をいただけますと幸いです。おそらく「お前それ間違ってるから」と言われていちいち凹むようなヤワな人間ではありませんので、直接会った時でも、飲みの席でも良いので遠慮なく突っ込んでいただければと思います。

引き続き、どうぞよろしくお願い致します。