EverLearning!

モチベーションワークス株式会社 および 一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事 野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

教育ICTの最前線レポートを支える デジタルカメラα

2015/5/30より ソニーデジタルカメラ「α」の"アンバサダー"として1ヶ月弱活動をすることになりました。数回ほどこのBlogにも記事をPOSTしてみたいと思います。

αアンバサダーのハッシュタグからこのブログに到達した方のために簡単に自己紹介をしておくと、当方は
・教育をICTの活用により、更に良くするための個人的な活動を行っている
・全国各地で行われている教室や教育現場でのICT活用の様子を記録・伝達するための
 ツールとしてαを使っている
・教育系イベントや公開授業をTwitterで実況中継し即日Togetterに纏める

という活動をしています。そのため、当方はいわゆる”写真家”クラスタの人間ではなく、短時間でより品質の高いレポートを作る課題解決ツールとしてαが現状ベストの選択肢であると考え、使っています。よって他のアンバサダーさんよりは「ユースケース」に関する記事が多くなると思われます。

まず、実際にどんな実況中継を行っているかの一例ですが、こんなのです。

このイベントは全国の小学〜大学までの先生が、ICTによって授業や活動の質を高めたり、今まで出来なかった事を実現している様子などを広く伝えてきたものです。年に数回開催されていて、今年の4/26は200名の会場が早期に満席になる程注目を集めるイベントとなりました。

で、このイベントで使ったのが以下の組み合わせです。
Apple - MacBook (12" Retina)

α7S | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー

Remote Camera Control  | ソニー

やりたい事は「αで撮った写真を使いなれたMacから説明文を加えて瞬時にTwitterする」ということ。これ簡単なようで結構難しいのですが、それを可能にしたのが最後に紹介している「Remote Camera Control」というPC/Mac用ソフトでした。このソフト、USB接続されたαなどのソニーデジタルカメラに対して
・PC側からシャッターを切る
・PC側からF値/シャッタースピードなどを制御する
・αで撮られた写真は自動的にPCに転送されてくる
ということが出来る素敵ツールです。これを駆使することで、
 スライドを撮影->内容を120文字くらいで纏める -> Twitterにスライドと一緒に投稿
という流れが非常にスムーズに行えます。それをひたすら繰り返したのが先のリンク先のTogetterです(一部、同じハッシュタグの他の人のTweetも混ざってます)


なお、カメラとしてα7Sをわざわざ選んでいる理由は
・薄暗い会場でスライドを撮影する際に(今の所)α7Sが最も綺麗に写る
・サイレントシャッター機能が使える
・コンパクトなので登壇者に対する威圧感(?)が少ない
などです。レンズは色乗りが良いという意味で35mm f2.8 の ツァイス単焦点を使いました。あとTwitterにまとめるのが目的なので画素数はそんなに要らない、むしろMAX解像度で撮影しても1200万画素のα7Sは最近のデジカメと比較してもストレージを圧迫しないという意味で結構、ありがたい存在だったりします。

ということで、机のある会場だと、上記のRemote Camera Control を使う方法が最も早く、かつ正確に講演の内容をリアルタイムに近い形で残せます。が、難しいのが机がない時で、当然Macが使えません。私のユースケースでは公開授業のように、教室にお邪魔して授業を邪魔しないように気を使いながら、生徒児童がICT機器を活用している様子を撮影させてもらう場合がこれに該当します。
そこで活躍するのが、レンズスタイルカメラ+スマートフォンの組み合わせです。これについては過去記事をご参照ください。

全国のよく訓練されたSONY党員の中でも、公開授業の記録と発信のためにレンズスタイルカメラを使う人間はそうそう居ないと思いますが、これらの組み合わせは撮影の機動力と即時の記録を両立するツールとして(個人的には)今の所最強です。実況Tweetを繰り返すうちにフリック入力は電車の中で女子高生に二度見されるくらい早くなりました(笑)  さすがにキーボードの入力速度には負けますが。

これらのレンズスタイルカメラは、スマホとの間は「PlayMemories Mobile」というアプリを通じてカメラとWiFiで通信し、カメラの捉えた絵を飛ばす仕様になっています。レンズスタイルカメラには液晶モニタが付いておらず、スマホに映像を飛ばすことで「ファインダー」代わりに使えます。また、撮った写真はその場で縮小されたものがスマホに無線転送されてくるといった機能も持ってます。しかし、先のiTeachersのような大きなイベントや、大規模な展示会ではWiFiがあちこちに飛んでいるため、電波の混雑の影響か、画像の転送が非常に遅くなったり、途中でカメラとの接続が切れたり、スマホへの撮影画像の転送に失敗するといったトラブルによく遭遇します。本末転倒な気もしますが、本音を言うと有線で高速・安定した通信ができるバージョンが欲しいなぁ。

ちなみに、レンズスタイルカメラを購入しなくても、α7Sなど最近のαシリーズには「アプリ」と呼ばれる追加機能をダウンロード可能で、「スマートリモコン」というアプリを入れることでレンズスタイルカメラと同等の使い方ができます。
が、私が敢えてレンズスタイルカメラを使っているのは
・公開授業では見学者が非常に多く、人の合間を縫って撮影が必要
・一方で(許可は得ているものの)生徒児童の顔がハッキリ写り込むのはNG
・そのため中望遠域を多用する
という制約条件があり、カメラを片手持ちにしてアングルフリーに撮影できるレンズスタイルカメラの方が利便性が高いのです。例えば以下のような写真を撮るには、レンズスタイルカメラだとやりやすいです。
(写真は同志社中学校iPad×Skypeを使った"英語のスピーキング"練習の授業風景)

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※上記の公開授業の詳細は過去記事を御覧ください。


なお、今回はαアンバサダープログラムに参加し、ソニーさんから最新のコンパクトミラーレス一眼「α6000」という機種を1ヶ月ほどお借りする機会に恵まれました。手持ちのα7Sよりもコンパクト、かつAPS−Cサイズのセンサーを搭載するほか、オートフォーカスが極めて高速という特徴を持ったカメラです。
早速昨日、友人の結婚パーティーがあったので使ってみましたが、コンパクトさに似合わぬ連写・速写・AF性能を持つことが実感できました。特に公開授業の機会があれば、QX1やQX100と比較をしてどの程度の使いやすさなのか、スマホと組み合わせた実況中継にも耐えられるのか、などを検証する用途で使ってみようと思います。

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また、ちょうどタイミングよくGoogleからGoogle Photos」が発表されましたSONYさんにはちょっと申し訳ないのですが、ちょっと使ってみた限りでは本家のPlayMemoriesというアプリよりもGoogle Photosの方がだいぶ使い勝手が良い感じなので、次回はこちらとの組み合わせでどんな利便性が得られるかを記事にしてみようと思います。