EverLearning!

モチベーションワークス株式会社 および 一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事 野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

【アンケート開催中】 生徒児童が主導する『私たちの学び方改革』実現プロジェクト始動

 このブログの読者の方はご存知のとおり、筆者 野本 はこれまで「学習者の目線で、教育をICTの力で拡張する」という考え方で様々な情報発信をしてきましたが、コロナ禍で様々な対応や対策が取られていく中、筆者はどうしても「その判断や意思決定に、まず学習の当事者である生徒児童の声ってどこまで反映されているのかなぁ」と思うことがありました。また、保護者たちの声も、意外と「ちゃんと聞いてもらう機会がない」という点も、気になっていました。

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先生や企業と一緒に生徒が、自分たちのiPadの機能制限や設定内容を検討している様子。2016年実施・撮影。筆者はこうした「学習者」に実際に教育領域の意思決定に参画してもらう機会を大事にしてきました。

 そこで、「じゃあそういう機会を作ろう」と、野本がFacebookで協力してくれそうな方に呼びかけて、この7月、「生徒児童が主導する『私たちの学び方改革』実現プロジェクト」という有志メンバーによる組織が発足しました。その活動として、
 1)生徒児童とその保護者によるアンケートを実施し、生の声をできるだけ集める
 2)そのアンケートをもとに、有志の生徒児童や保護者にオンラインイベントにて直接
    意見や想いを表明してもらう機会を作る
 3)集まった意見や声から、異なる環境で学んだ生徒児童の有志たちで複数のグループを
    構成し、そのグループで「学習者の目線でwithコロナ時代の学び方」を考えてもらう
    そこに、教職員や保護者、学校でのICT活用などの領域で活躍する社会人などに
    メンターとして入ってもらい、検討を深める
 4)最終的に、学習者が中心となり、それを大人たちが補佐する形で、学習者として
  「どんな学び方をしたい」という声を取りまとめ、社会に届ける
ということをやってみようと思っています。
運営事務局メンバーには、現役の学校の先生はもちろん、研究者の方、議員の方、現役の大学生の方、保護者代表の方、企業の前線の方など多様なメンバーが参画してくれています。
(この手の活動を教育関係の人たちだけでやろうとすると目線が偏るので、あえて教育とは異なる文脈の方をコアメンバーに入れさせていただくようにしました)

正直、どこまでやれるかは分かりませんが、せっかく国がGIGAスクール構想であったり、オンライン・リモートでのは働き方や学び方について検討をしている最中だからこそ、大人たちの都合やエゴではなく、学習者たち自身の声もそこにうまく反映させたい(特にデジタル機器の扱いについては生徒児童のほうが優れている部分もあるのだから、そこを反映しないのはもったいない!)ということで、荒削りなことは百も承知でまずは動き出しました。

 

ということで、第一弾として、まずは小学校6年生〜高校2年生の方と、その保護者を対象としたアンケートを現在実施中です。(7月いっぱい実施予定)

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もっと低学年でも答えたい!とか、高校3年生にも書かせろー!とか、いろんな声があることは承知しているのですが、まずはこの範囲ですみませんがやらせてください。

なお、このアンケートではコロナ禍の休校やその後に起きた出来事に対して、課題だけでなく「良かったこと」も聞いています。現時点で160名ほどの方から回答が寄せられているのですが、保護者、生徒児童ともに「学校や先生たちの奮闘」であったり「臨機応変な対応」に対して感謝する声がとても多いです。一方で、これからGIGAスクール構想などを進めていったり、まさに迫っているコロナの第二波に備えるためにICT環境をどう整備すべきか、という点ではおもわず唸る生徒児童目線での回答(自由記述)もかなりあります。
(例えば、先日各地を襲った集中豪雨にて一部居住地の生徒児童が学校に登校できかった間に、今回のコロナで構築されたオンライン学習のシステムをなぜ使ってくれなかったんだ、という声もありました)

なお、このアンケートはあくまで無記名で、回答にはどこにも学校名や個人名を記載するところがありません。ポジティブなこと、ネガティブなこと、自由に書いていただいて大丈夫ですし、回答を全国から(海外からも)受け付けているので、そもそも回答者が誰かを特定することは困難です。そして事務局としてそんなことをする必要性も、やりたいという考え自体もありませんので、ご安心を。

なお、最後の方に任意で、お住まいの地域(都道府県レベルでOK)、冒頭の2)〜4)のイベントに興味がある人向けに連絡先となるメールアドレスをお伺いする項目(これも特定項目を選んだ方、かつ、メールアドレス提供に合意された方のみ)がありますが、いずれも必須ではないです。

ぜひとも、最終的なゴールとして「生徒児童自身が、withコロナの時代に自分たちでどう学びたいかを考えて、発信していく」という趣旨に賛同される方、このアンケートや活動をご支援いただければと思います。特にアンケートについては、シェアをたくさんしていただけると嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。