EverLearning!

モチベーションワークス株式会社 および 一般社団法人iOSコンソーシアム 代表理事 野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

できるだけ手持ち機材を活用して現地収録+遠隔インタビューが同時にできる環境を作った話

 およそ2年前と似たような記事を書いてみます。

it-education.hatenablog.com

 

 とある業務で、最近いろんなところにインタビューや取材に行っていたのですが、緊急事態宣言の発令に伴い、静岡県在住の当方が都心への出張、あるいは都心からの出張者とともに取材行動を行うのに大幅な制約が出てきてしまいました。

 今回は、静岡県内のごく近隣の方への取材予定があったのですが、映像機材とプロのカメラマンが東京からやってくることができないという状況の中、案件の納期は目前に迫っているというなかなかハードなクエストがやってきまして、さてこれをどう攻略するか?と考えてみました。こういうICTを活用したハードクエスト攻略は個人的に血が騒ぐので「できるだけ追加投資をせずに手持ち機材でこの難題を乗り越える」ことに挑戦してみました。

 ちなみに当ブログきってのハードクエスト攻略日記としては以下の記事がロングランで詠まれております。お時間ある方はどうぞw

it-education.hatenablog.com

 

 さて、今回の拘束要件は以下の通り。

・筆者が、同じ県内(かなり近く)の有識者のインタビューを撮影する

・ただし、インタビュアーは東京にいる

・さらに、通常こうした撮影のための専用機材は東京にあり、その機材を扱えるプロのカメラマンも東京にいる

・そして東京にいるインタビュアーとカメラマンは静岡にくることができない

・そこで手持ちのカメラでインタビュー映像を収録するのと同時に、Zoomを使って遠隔からインタビュアーが有識者に質問応答をできる環境を作りたい

・ただし、同じ映像に登場する他の有識者はすでにプロ用機材で撮影を終えており、今回の有識者だけ極端に画質音質が劣るという事態はできるだけ避けたい

・だがいつ終わるかわからない緊急事態宣言が明けるまで本案件の〆は待ってくれない

・そして最強に厳しい条件が「屋外の撮影で、電源がない」

・屋外で機材をセットアップしてさくっと撮影ができる比較的シンプルな構成が必要

 

 そうなんすよ、最後2つがキツいんですよ。ぶっちゃけ手元には「それ手持ち機材って反則だろ」というATEM mini PRO ISO 様がいますが、これは電源が必要。悩んだ結果、以下の布陣を考えた。

・ワイヤレスのピンマイクは絶対に必要だが持っていなかったので、これだけは買う
 今回はAmazonをいろいろ探して、低価格なわりに評判がよかったこれにした。
www.amazon.co.jp

それ以外は、すべて手元にあるもので、バッテリー駆動できるものを組み合わせました。

結果、以下の構成で問題なく

 ・比較的高音質な音声を収録しつつ、同じ音声をZoomで遠隔のインタビュアーに生配信

 ・比較的高画質な映像を収録しつつ、同じ映像をZoomで遠隔のインタビュアーに生配信

 ・インタビュアーの質問は、別のZoomに接続している端末から音声を出力し、インタビュイーに届ける

という感じにしてみました。構成図は以下のような感じ。

 映像収録 :SONY α9
 音声収録 :ZOOM PodTrak P4
 ワイヤレスピンマイク:ALVOXCON UM310 Pro
 HDMI-USB変換機  :Amazonで買ったノーメーカーのやつ
 Zoomのホスト端末   :M1 MacBook Air
 (別途、インタビュイーに音声を届けるためのZoomクライアント端末あり)

 

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機器構成図

 この機器構成自体は一応10分少々で(ここに書いていない三脚なども込みで)設置できました。実際にはバックアップ用のサブカメラとかも配置したのでもう少し準備時間がかかりましたが…

 そしてM1 MacBook Airはやはり相当省電力ですね。1時間程度のインタビューは全然平気。むしろ先にカメラやPodTrakの電池が切れそう。

 ということで今回は追加で買ったのはUM310 Pro、概ね7000円くらいで、他はすべて手持ち機材(手持ち機材がすでにチートともいう)で構成できました。

 なお、PodTrakはこの状態だとチャンネル1と2のキャノン端子が空いているので、ここに別のマイクなり音声入力を追加すればさらに複数人での会話とかも収録できます。

 

 なお、UM310 Proは iPhoneなどのスマートフォン用のアダプターがついており、同時生配信をせずに単に収録だけならこのセットがもっともお手軽です。音質も悪くないので、7000円くらいの値段の割にかなりいい仕事してくれるアイテムでした。

 

 ということで今日はこんなところで。