読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

EverLearning!

野本 竜哉 による、ICT機器を活用した学習の動向をレポートするブログ。ここでの投稿内容は、所属組織を代表するものではなく、あくまで個人としての情報発信となります。

教育ITニュースピックアップ&コメント[Vol02]

先週に続き、教育IT関係のニュースとそのコメントをお届けいたします。


2014/3/28
中央教育審議会(第90回) 配付資料
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20140411-OYT8T50060.html
教育ITを考えるうえでは国の動きも参考にする必要があります。こちらは文部科学省による教育再建を考える審議会の資料群。多数のPDF資料がありますが、以下の下村文部科学大臣の資料は是非見て欲しいです。(PDF直リンク)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/__icsFiles/afieldfile/2014/03/31/1346147-1.pdf
グローバル化人材の減少、高校生の自己肯定感が著しく低い、保護者の所得が子供の学歴に反映され「格差が固定化」している、など・・・。ここに対して何か出来ることは無いのか、考えるきっかけになれば幸いです。なお、この件についてパブリックコメントの受付もこのほど始まっています。

2014/4/3
■家庭環境と学力の関連
http://tmaita77.blogspot.jp/2014/04/blog-post_3.html
↑の「格差の固定化」を裏付ける記事のひとつです。様々な調査から、年収と学力の間に相関関係を紐解くと「家庭環境」に依存すると指摘されています。博物館への訪問や旅行など「机の上以外の場所で学ぶ機会」、「両親が子供と話し合う時間」等が年収が高い家庭のほうが充実しているケースが多いことが背景と考えられます。ただ、海外ではITが格差を是正するものとして教育分野で脚光を浴びている現実もあります。日本でもこうしたことは出来ないのでしょうか。

2014/4/8
■5000台の“魔法の箱”がプログラミング教育を変える
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140404/1126863/
その「格差の是正」にITが介在しうる一要素が「プログラミング教育」です。早くても中学生くらいでないと…という先入観は多いのですが、ブロックを組み合わせる感覚でプログラミング可能な「Scratch」という環境が最近では小学校(低学年含む)でも人気です。ブラウザさえあれば動くので、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)と呼ばれる安価なLinuxボードを学校で活用する動きが全国各地で模索されています。足元ではIT系エンジニアの絶対的不足も叫ばれており、社会的課題解決の側面から意識する必要があるのではないでしょうか。
※【参考】マイナンバー、郵政...。システム計画めじろ押しでエンジニアが10万人不足!?
http://yukan-news.ameba.jp/20140408-47/

2014/4/9
■登壇者が質問者、「反転セミナー」リポート【前編】(要会員登録)
学校IT化だけではだめ? “受け身型生徒”をやる気にするには
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1404/09/news02.html
今年2/22に当方とデジタルハリウッド大学院大学の佐藤教授が共同で開催したイベントレポートです。神谷加代さん(2児の母の主婦で教育IT関係のフリーライター)が記事にしてくれました。学校の先生や教育関係者の方が教育ITの先駆者たちに自由に質問が出来るイベント。会場内ではClicaというSNSに質問を書き込んでもらい、良いと思ったものをその人に発表してもらうというケータイ大喜利みたいな方式で進めました。
NetCommonsを使った教育コンテンツの構築方法、学びのビッグデータともいえる「学習ログ」活用ついて、「紙」と「デジタル」のバランス感覚について等かなり面白い議論が垣間見えます。


2014/4/11
タブレット授業で正答率高め…熊本県教委調査
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20140411-OYT8T50060.html
県内の8小中学校の約950人を対象に実験したところ、タブレットの活用により成績が6~8ポイント上昇したという報告。が、どのように実施したかの詳細がこの記事ではわからないので詳細を追いかけています。ちなみに近隣でタブレット導入で先行している佐賀県では、「教育に効果有り」との報告を数値的根拠が無いままに発信し、後に非常に厳しいバッシングを浴びたことがあります・・・。ITによる成績への寄与度の測定は短期的には難しいとされており、その方法論は各地で模索されています。その一例が↓の多摩市の小学校の例です。

2014/4/12
iPad 5+3ヶ月目の挑戦! ー公立小学校の新しいかたちー
http://kokucheese.com/event/index/165428/
公立小学校なのにiPadを一人一台持っている多摩の愛和小が、授業を公開します。実はこの学校のiPad、校長先生が営業力を発揮し、大学や教育系ベンチャーからかき集めたものです。その実証実験のため、企業のアプリが授業の随所に組み入れられているのが特徴。提供企業は様々な効果測定を目指して参画しており、特に熱心なのがDeNA。教育データの分析にかなり力を入れており、その測定結果は個人的にも注目しています。
なお、活用されているアプリのひとつが、先週も紹介した「ロイロノート」。来週、その学校向けのカスタマイズ版発表会が4/23に同校を会場として実施されます。
※ロイロノート・スクールを使った実践授業
 http://n.loilo.tv/ja/

2014/4/14
■大規模公開オンライン講義は日本の教育を変えるか? JMOOC4/14開講
http://resemom.jp/article/2014/04/15/18058.html
大学講義がオンラインで無料で受講でき、小テストやレポートなどの成果物に応じて単位認定もされるというMOOCsの一種、「JMOOC」が始動。NTT docomo独自開発のプラットフォームと放送大学が無料ツールを組み合わせて構築したプラットフォームの2つが当初から混在するのが気がかりですが、docomoのものはスマートデバイス特化という点で新しさがあります。触ってみましたがUIも確かに今風、動画コンテンツも10−15分程度に刻んでおり受講しやすさを意識している印象です。MOOCsはどうしても修了率の低さや、自ら学ぼうという意識の高い人を相手にしている仕組みということもあり「マスに響くか」というと難しい部分はあります。が、受講者同士のコミュニティの構築など工夫も見られるので、今後の動向を見守りたいところです。個人的には一番最後の以下の部分が今後を左右すると思っています。

”将来的には学位相当の認定、単位取得など考えているか聞いてみた。「そのためには、シラバスの見直し、アカウントの本人同位性認証、試験のなりすまし対策といった技術的な問題など、クリアしなければならない点も少なくない。検討課題として議論はしている。」”

 

来週は、ネット上でも大いに話題を呼んだ「担任となる高校の入学式を、自分の子どもの入学式を優先して欠席した先生」についてFacebookを通じて意見を呼びかけた結果などもご紹介します。