なにやら、このブログがNEVERまとめで「これを読めば教育の最前線がわかる!?IT×教育をテーマとしたブログまとめ」という記事で紹介されたようで、しばらく記事を投稿していないのに地味にアクセスが伸びているようです。
http://matome.naver.jp/odai/2138442065775491301
学者さんやベンチャーのTOPに並んで紹介されるのは恐縮ですが、今後もよい記事を書いていこうと思った次第。
さて、本日のお題ですが、11/7(木)に、産業技術大学院大学という品川シーサイドにある学校で、iOS Enterprise & Developers Conference (iOS EDC)というイベントに登壇しました。その講演の模様をIT Media Tech Target様が記事にしてくれました。
「iPadが学校用タブレットのナンバーワンになった4つの理由」
http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1311/19/news03.html
※要:無料会員登録
ちなみに、講演のスライドのうち一般に公開しても差し支えないと判断できたものについては以下のURLに掲載されていますので参考にして頂ければと思います。
https://speakerdeck.com/iosedc/ios-edc-2013-a20
この記事では以前このブログでも取り上げた「学校でiPadが支持されている理由」を紹介しているのですが、実は1つ、逆に「今後その地位が揺らぐかもしれない不安要素」も紹介しておきたいと思って記事を書く事を思い立ちました。
それは何か。
ズバリ「価格設定」です。
上記のリンクにあるスライドでは、セキュリティ対策が簡便で済むためiPadはトータルコストは実はそこまで高くない、と書いてあります。矛盾を感じるかもしれませんが、間違っていません。問題は本体の単価にあります。
今回のモデルチェンジで、9.7インチのiPad Air の最低価格が5万円を超えたことが、実はけっこう大きなデメリットであることが分かりました。Facebookや各種イベントを通して交流させて頂いている、玉川大学の小酒井先生のご指摘で「確かにそうだ」と気づかせて頂いたのですが、実は学校に限らず、企業などで物品を購入する際に「税込み5万円」を超えるか超えないかは、大きな意味を持つ事があるのです。
例えば大学では、5万円までは研究費扱いで購入できるが、超えてしまうと備品購入費として翌年度予算として前年度XX月までに計上が必要だとか、企業でも5万円までは部署ごとのお財布で買えるか、超えてしまうと稟議や予算計上を行って承認を取る必要が出てくる、といった具合です。
もちろん大量一括導入をするのであれば予算計上し、償却期間も考慮の上できっちり計画を行う必要があるでしょう。しかし、そこまでやるためには事前に最小単位で検証するのがセオリー。つまり「とりあえず試しに1台買って使ってみるか」というケースで今回の5万円の壁にぶつかるのです。
個人で買った物を持ち込んで試してみるというケースも有るには有りますが、5万円は決して安い買い物ではない。学校なり企業に必要経費として支出してもらいたいでしょう。でも、そこに制限がつきまとうケースが出てくる。
じゃあminiにすればいいじゃん、と言われそうですが、実は教育現場でiPadを活用している先生達は口々に「miniは個人用途。学校で使うなら9.7インチ」と仰ります。むしろ、もっと大きい「iPad deca(仮称)」が欲しいくらい、という声もあり、それは当ブログでもことあるごとに指摘しています。理由は、教育現場でiPadを使う良さの一つに「プレゼン」や「意見交換」など”知の共有”があり、miniだとそれがやりにくいからです。(一人で勉強するならminiでも充分ですが)
つまり、現状では折角Airという、薄くて軽く、大きさもコンパクトになった製品が登場したのに、5万円の壁を超えずに購入できるのは3世代前のRetinaではない「iPad2」ということになります。(除く整備品などの型落ちモデル)
iPad Airは間違いなくよい製品で、教育分野で「とても使えそう」なのですが、この1点がとても残念。円安などの要因はあれど、もし教育分野に本気で切り込んでいくのであれば、16GBモデルを税込み49800円で販売すればだいぶ違ったのでは…と思います。
ということで、Appleさんおよび商社さんは是非とも教育分野に営業をかける時にはスペシャルディスカウントで5万円以下を提示していただくことを期待しています。
あと、安倍政権にはちょっとだけ円高方面に振れるような政策を打ってもらうことに期待します(違う